ジャケットでの吉井和哉の女装が印象的な、彼らのセカンド・アルバムである。 ベートーヴェンの『月光』からはじまる本作は、セピア色のヨーロッパ映画の趣がある。やなどのライヴでおなじみのナンバーも心地よいが、特にチェックしたいのは、サード・アルバムへの布石にも思える7分58秒の大作であるである。せつないメロディー・ラインと、「愛する者の死」という悲しみに沈む女性をモチーフにした歌詞に、自ずとそのストーリーに引き込まれ、思わず涙してしまう傑作である。(多田ライコウ)